コレステロールの粒子サイズをどのように測るのか


コレステロールの量ではなく粒子サイズが重要だ、と知ってもコレステロールの粒子サイズをどのように測ればよいのでしょうか?

LDLの粒子サイズまでわかるテストは

リポプロティン詳細分析 (Adavnced Lipoprotein Analysis)

と呼ばれ、 コレステロールの内訳を、通常の血液検査で表示されている内容より、もう一つ深いレベルで分析されます。

これは単純にリポプロティンの量を全体的にするのではなく、心疾患の原因となるリポプロテイン、つまり粒子サイズの小さいリポプロティンを正確に測定するための検査です。

リポプロテインの粒子サイズが大きいものを「パターン A」、小さいものを 「パターン B」と分類されています。

米国ではVertical Auto Profile(VAP)を年次健康診断の際に追加することができ、パターンAとBの量を測定することが可能です。多くの保険によってカバーされています。

粒子サイズの小さいLDLを small dense LDL (sd LDL)と呼びます。テストを受けることができる医療機関は多くないようですが、このような検査サービスも見つかりました。

さて、この粒子サイズがパターンAが優勢なのかBが優勢なのかを詳細分析検査なしに推定する方法があります。

LDLパターンBが増えると、HDLは下がり、中性脂肪は増加する傾向があります。

その傾向を使うことで、中性脂肪:HDLの比でとても正確にパターンBが多いかどうかを判定できます。(1)

中性脂肪をHDLで割った数値が「3.8」以上であれば、パターンBの割合が多いLDLである可能性が高いです。

この「3.8」という数字も、中性脂肪の正常値の上限(150)をHDLの下限 (40)で割った数字ですので、境界の数値だと思った方がよいでしょう。

何が最適な指標値なのかについてはこの指標を使う専門家の間では議論がありますが、経験則では「2」以下であればLDLにはパターンAが多く、LDLがどれだけ高くても心配しません。私がフォローしている専門家達の多くが「2」を使っています。

ハーバードの研究チームによる研究でも[中性脂肪/HDL]が心筋梗塞リスクを予測できることが分かっています。(2)

日本でも早くコレステロール詳細分析ができるようになれば良いですね。

しかし、食事の内容さえプライマルであれば、検査などしなくても安心してパターンAのコレステロールだと自信をもてます。

ちなみに、私は毎年の健康診断で毎回LDLで要再検査をもらいますが、 [中性脂肪/HDL] は1.3~1.5をキープしています。

(1 ) Accuracy of the triglyceride to high-density lipoprotein cholesterol ratio for prediction of the low-density lipoprotein phenotype B.

(2) Fasting Triglycerides, High-Density Lipoprotein, and Risk of Myocardial Infarction


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です