ファスティングにおける導入期と回復期:糖代謝と脂質代謝の違い


ファスティングには導入期と回復期を準備した方がよいのではないか?

の質問にお答えします

健康長寿を目的とした時に、ファスティングは素晴らしい手段です。

ファスティングの効果は大きくはデトックスやホルメシスです。この効果はファスティングにおける代謝モードが脂質を基質としたエネルギー生産を行うことで実現されます。

ファスティングは究極の脂質代謝です。

ファスティングの常識では「食べない」ということは非常であるので、その前後に準備や整理を目的とした導入期や回復期をスケジュールに組み込むことになっています。

これに関しては「ファスティング界」ですでに議論され尽くされているのでそれらのプロトコルは十分尊重したいのですが、ここでは生命の代謝についての考察をします。

糖代謝からのファスティング

世の中の大半の方は糖代謝で生活しています。ここからファスティングの脂質代謝に入るには「いきなり」よりも、「徐々に」入っていった方が、ケトフルのようなケトン導入・順応期間に起こる代謝移行期間の様々なトラブルが起こり難いです。

数日といわず、1~2週間ぐらいかけて行った方が順応はうまくいきます。しかし、1ヵ月の断食ならともかく、2~3日の断食のためにそんなに準備期間は摂れないので、導入期間も数日、となっているのでしょう。

ファスティングを2~3日もすれば、糖代謝の方も脂質代謝になります。この程度のファスティングであれば、ようやく脂質代謝に入った時にはもう糖代謝に戻らないといけないですね。

長いファスティングであれば、耐糖能は低下しますので、これを上昇させるために数日かけながら糖代謝へと戻していくのも道理にかなっています。回復期も大切です。

脂質代謝からのファスティング

それでは、低糖質・高脂質食、つまり脂質代謝からのファスティングはどうでしょうか?ここでは普段の脂質代謝からさらに深い脂質代謝に入っていくことになります。

この移行ではカラダの代謝モードが大きく変わることはありません。脂質代謝のレベルがさらに深くなるだけです。糖代謝とは旅の距離が違うのですね。

出張するのも海外にいくのと、隣の町へ行くのとでは、荷物のパッキングや帰宅後のカバンの整理にかける時間は大きくことなりますよね。それと同じです。

超低糖質を行っていれば、導入食も回復食も、必要ありません。代謝モードは変わらないからです。

食事の量には注意

導入食や回復食には「お粥」が定番ですね。

糖代謝→<導入食>→ファスティング(ケトン代謝)→<回復食>→糖代謝

エネルギー燃料としてはお粥でも砂糖水でもよいのですが、量や硬さには注意が必要です。

食事の量は脂質代謝の方のファスティング明けにも重要です。

食事の内容はお肉や内臓のようなタンパク質がベストです。

一般的なファスティングに対する概念を持たれていれば驚かれるかもしれませんが、お肉はお米や小麦などよりも速やかに分解・吸収されます。恐らく最も消化に優しい食べ物です。

また、現代の穀物は化学薬品の残留や、植物毒も強いので、デトックスが目的のファスティングには不向きです。

ただ、3日以上の長期間のファスティングを行う時は、プロティンや骨スープ(牛骨や魚の骨)のような流動的なたんぱく質を回復食に使うとよいと思います。そして、自分の胃腸に対する意識を高め、ゆっくり快適な範囲であることを確認しながら食べていけばよいですね。

2日程度のファスティングであれば、カラダもまだ「食事がない環境」に順応しきれていないので、普段の量を問題なく食べることができるのではないかと思います。

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