十二年籠山行


“Enryaku-ji Jodoin-r” by Oilstreet – Oilstreet. Licensed under CC

比叡山の荒行である千日回峰行は知っていましたが、十二年籠山行のことはつい最近知りました。

十二年籠山行に入るには「好相行」を満行することが前提となっています。これは地にひれ伏す五体投地を一日三千回続けて行います。一日三千回と聞いてもピンときませんが、休みなく続けても十五時間ほどかかります。

仏を観て感得するまで、つまり仏様と会うことができるまで好相行は続きます。一度は行ったらやめることができない行です。つまり「仏を観るか、死ぬか」どちらかなのですね。相当の覚悟がないと臨めない行です。

この好相行を満行して初めて十二年籠山行に入ることができます。現在も伝教大師最澄上人が魂となり生きている浄土院にて伝教大師にお仕えをする「侍真」となることです。食事の上げ下げから掃除まで行い、これの行も途中でやめることができません。十二年とありますが、次の侍真が決まるまではそれを超えて何年も下山が許されません。平成二十一年に籠山行を20年で満行した宮本祖豊師は下山して初めて携帯電話を見て、「今浦島」を体験されたそうです。

精神的な成長とは自分の精神的な限界を感じそれを越えることで可能です。精神的な限界を簡単に感じる方法は肉体を酷使することです。在家でも自分の体を追い込むことで仏様にお会いできる。もう限界かな・・と頭がフラッとなった時こそ、もうちょっと先を観てみるよい機会ですね。

 

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