放牧されている牛さんは冬の間何を食べるのか


Image of grazing cattle
春は野原にも新芽が多くでてきて、多様な草花が勢いよく増えていきます。そこで疑問に思うのが、 牛さんは冬の間に何を食べているのかということです。
牛さん達はは草が生えている所であれば世界中どこでも存在できます。赤道に近い場所であれば 一年中草が生えていますので、食事に困ることは有りません。しかし緯度が高くなると冬には草が枯れ雪で覆われてしまいます。
まず牛さんは干し草を食べることができます。 夏の終わりにかけて牧場の間をドライブしていると、あちらこちらに草が束になって大きな俵のような円柱形のものがぽつんぽつんと散らばっているのを見かけます。これはベイルと呼ばれる、刈り取って寄せ集めした干し草やわらを圧縮して梱包したものなのです。サイレージとも呼ばれています。
このベイル作りのことをベイリングと言います。牛さんは草を食べることは出来ますが、草を刈り取って草を束にして保存するようなことはできません。
人間はこれを行うことができますので、人間と牛さんとの共生により、より多くの牛さん を育てることができます。
また草が乾燥すると冬であろうと雷が落ちたぐらいで発火し、野火になったりしますが、ベイリングは野火も防ぐことができます。
牛さんは冬でもぶらぶらと牧草地を歩き回りますので放牧家はベイルをトラックに積んで雪に覆われた牧草地に巻いてあげると、牛さんはそれを美味しそうに食べます。まるで、宅配サービスですね。
牛さん達は牧草はもちろんのこと、枯れた干し草であっても、消化器官と微生物の力によって季節を問わず ンパク質やビタミン・ミネラルなどの栄養に変えていくことができるスゴイ生き物です。
牛さんは牧場だけではなく畑でも活躍します。トウモロコシや小麦を収穫した後に残った葉っぱや茎などが大好物です。
人間の食べれないものから高品質のタンパク質を作り出しながら、その場に肥料を落としていくことで、土壌の有機物を増やしていくことができます。
収穫残余物は分解され土へと帰るのには時間がかかりますが牛さんの腸内通ることで、分解された状態で落とされ、群れから踏みつけられることで土へと簡単に同化されます。このため農家さんに対するの牛さん貸し出しサービスなどもあります。
畑の中には収穫後に残余物が残らず、土壌が裸になる作物もあります。その時には被覆作物(カバークロップ) を植えてあげると、雨や風などによる土壌の浸食を防ぐことができます。
たとえば、クローバーなどの牧草やカブなどの冬に収穫できる野菜を植えていくと、収穫後に牛さんを話してあげることで、冬場の良いエサとなりなおかつ肥料を牛さんからもらえるということになります。
冬の放牧で気を付けなければいけないのが、牧草地の上の雪の深さと氷の量です。牛さんは寒さに強いので気温が-10度まで下がっても問題ないのですが、草が厚い雪や氷で覆われていれば食事ができなくなりますね。
粉雪ぐらいのものであれば 牛さん達は 鼻で掻き分けて 草を食べます。薄い氷であっても簡単に足で割ってその下の草を食べることができます。
しかし雪が深くなってきたり 氷の厚みが増してきたりすると、牛さん達も積極的に食べることをしなくなります。そこでは保存しておいたベイルが活躍します。
冬季に気を付けなければいけないのが水の供給です。牛さんは大量の水を消費します。方法は様々ですが氷や雪をお温度調節に寄って溶かして水を与えないといけません。
このように、人間では耐えられない寒さの中でも牛さんは元気に生活し、食事できるんですね。

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