牧草牛のことをお伝えする講座では冒頭で、
「皆さんは何を基準にお肉を選んでますか?」
と質問しています。そして様々な答えが返ってきます。
「部位で決める」
お肉は体の「部位」によって硬さや脂のつき方が違います。料理の方法によって、 もも、バラ 、カルビ、ロース、ヒレ、等々、ありますね。料理の内容によって一番美味しく食べれる部位がありますので 、当然の答えですね。
「鮮度で決める」
お肉が新しいのか、古いのか、外見的に判断することができます。特ににスライスされた状態のお肉では空気に触れる面積が多くなりますので、筋肉の中のミオグロビンというたんぱく質が酸化によって変色していきます。このようなお肉はいかにも美味しくなさそうで劣化しているような感じがしますが、実際はどうなんでしょうね。
現在は食品衛生法で発色剤や着色料の使用が禁止されています 。唯一アスコルビン酸は基準がありませんがこれも業界内では使用を自粛されています。
「原産国」「産地」「品種」
答えの中で多いのが、そのお肉がどこから来たのかということです。
まずは原産国です。 米国牛はあまり安心できない、オーストラリア牛やニュージーランドは牧草牛を食べている比率が高い、などのような、原産国に対して持ってそれぞれイメージを持っているようです。
しかし、最も人気のある原産国は「国産」、すなわち日本です。ほとんどの日本人は日本で作られる肉ほど品質が高いものはないと強く信じています。
また、特別な産地にこだわる方もいらっしゃいました。オーストラリアでもタスマニア産のビーフはスーパーに並んでいます。
神戸牛や松坂牛、鹿児島産の黒豚など、産地名にこだわる方もいらっしゃいます。
黒毛和牛、アンガス牛など、品種にこだわりを持つ人もいます。
「ブランド」
ブランドとは商品に対する期待や商品が提供する約束を現す価値とも言われます。原産国や産地、品種もそのイメージでお肉に対する価値を連想できますので、ブランドの一つだと言えます。
また、お肉が流通している小売店なども、もし有機ショップや生協や健康にこだわりのあるお店などが販売していれば、そのお肉に対するイメージも良くなるのではないでしょうか。
「ホルモン」「抗生物質」
有機ショップなどで販売されているものの中には「ホルモンや抗生物質不使用」などと書かれてるものもあります。抗生物質は成長促進や病気予防を目的で使われ、成長促進ホルモンは天然型、合成型両方が多くの畜産国で許可されています。
ホルモンは米国ではまだ使われていますが、日本や欧州では禁止されています。しかし、抗生物質はほぼ全ての近代工業的畜産では利用されています。
「値段」
料理をほとんどしない男性に多かった答えが、「安いお肉を買う」「牛は牛、豚は豚」というように、全てのお肉は規格品のように品質は均一で、異なるのはグラムで表示される量のみ、という、極端だとは思いますがそのような選び方をする方もいます。私も、20代後半まではこのようなお肉の選び方をしていました。
「お肉が何を食べていたか」
この言葉は少しですよね。お肉を食べる、ではなくお肉が食べる、となっています4。
牛さんせよ、豚さんにせよ、羊さんにせよ、その動物が何を食べて育ったのか。
それを知っていることが、私たちの、そして地球環境にとってどれだけ大切なことか。
わかってるつもり、ではなく実際に知っていることが大切です。
牧草牛って、草を食べている牛さん、それは多くの人達の頭の中では当たりまえなんですよね。
でもそれが当たり前ではなかったとしたら・・・