1995年、糖尿病が「減った」一年 ―― グラフの谷が教えてくれること

米国の糖尿病の推移を描いた、有名なグラフがあります。 1958年から2015年まで、糖尿病と診断された人の数と割合が、右肩上がりに伸びていく一枚です。 坂道は、見ているこちらが少し苦しくなるほど、休みなく上っていきます。 … 続きを読む

なぜ同じ日本の食卓でも、太り方が民族で違うのか

今日、学習仲間から、こんな観察を聞かせてもらいました。 彼女の住むエリアは外国から来た人が多く、なかでも中国から来た人がよく目につくそうです。そして街を歩きながら気づいたことがある、と。中国から来た人には、肩からお腹にか … 続きを読む

「低糖質は寿命を縮める」と聞いたら ―― グラフのいちばん左に、何人いたか

健康診断のあと、糖質を少し控えはじめた。 体が軽くなって、気になっていた数値も、良い方へ動いてきた。 そんなときに、こんな見出しが目に飛び込んでくることがあります。 「低糖質の食事は、寿命を縮める ―― 権威ある医学誌が … 続きを読む

境目に立つ脂肪酸——分けたがるのは、いつも私たち

ラウリン酸、名前の話から始めます。 ラウリンは月桂樹、ラテン語のlaurus(ラウルス)から来ています。勝者の頭にのせる月桂冠の、あの木です。この脂肪酸が最初に月桂樹の実の油から取り出されたので、その名が残りました。名前 … 続きを読む

塩が血管を壊すのではなかった——免疫系が「感染と間違えて」血管を老化させていた

「塩分の摂りすぎは血管に悪い」——これは正しいです。 しかし、その理由として長年信じられてきたメカニズムは、間違いでした。 従来の定説はこうでした。 血液中に余分な塩分(NaCl)が増えると、それが直接血管の内壁を傷つけ … 続きを読む

変異のない、がん ―― 40億年前のプログラムが目を覚ますとき

がん研究の歴史は、長いあいだ「壊れた遺伝子を探す」歴史でした。 どの遺伝子に傷がつくと、細胞が暴走をはじめるのか。 その一点を突きとめ、そこを叩く薬をつくる。 筋の通った戦略で、医療も創薬も、長くこの考えに賭けてきました … 続きを読む

サラダではなく、芋だった——カリウムをめぐる、祖先と私たちの食の話

厚生労働省もWHOも、「カリウムは1日3,000mg以上を」とすすめています1。 ところが現代人のほとんどが、この数字に届いていません。 サプリメントが足りない、という話ではありません。 問題は、私たちが「何を食べていな … 続きを読む

ミトコンドリアは、わざとエネルギーを「漏らして」いる

前回、消えた「8個のATP」は、どこへ行ったのかという記事を書きました。 学校で「38個」と習った数字が、いまでは「およそ30〜32個」に見直されている——その理由をたどると、最後に一つ、意外な行き先が残りました。 漏れ … 続きを読む

「R体」「L体」——サプリのラベルに隠れた、分子の利き手の話

サプリメントの成分表を眺めていて、成分名の頭に「R体」や「L体」、あるいは「D-」「L-」といった小さな文字がついているのを見たことはないでしょうか。 多くの人はそこを読み飛ばします。 けれど、この一文字には、その成分が … 続きを読む

「天然由来」は本当に優れているのか——答えは分子が知っている

商品の裏面に「天然由来」と書いてあると、つい、そちらのほうが良さそうに感じます。 「合成」と書いてあれば、なんとなく身構える。 この感覚そのものは、とても自然なものです。 ただ、この感覚が正しく働く場面と、まったく空振り … 続きを読む