イベルメクチンと濃度の壁 ―― 「何にでも効きそう」に見える分子の読み方

ひとつの分子について、これほど正反対のことが語られている例も、そう多くはないと思います。 一方には、がんにも、ウイルスにも、炎症にも効く可能性がある、と紹介する記事があります。 もう一方には、まったく効かないことで決着し … 続きを読む

机の上のスマホが、私と、あなたに、していること

先日、家族で、ある食事に招かれました。 その席では、誰も、スマートフォンを、テーブルに出しませんでした。 みんなが、目の前の人に、心を向けている。 それだけの、ゆたかな時間でした。 家に帰ってから、気づいたのです。 その … 続きを読む

繊維がなければ、腸内細菌は飢えるのか ── 氷河期の祖先が示す、もう一つの答え

腸内細菌の話は、たいてい「善玉菌を増やしましょう」で終わってしまいます。 でも、その一段下で起きている現象のほうが、はるかに重いのです。 ある世代で失われた菌は、次の世代には「そもそも受け継がれない」。 私たちが今日食べ … 続きを読む

「発生」⇔ “accrue” ―― お金は、払う前から育っている

月末、帳簿を閉じるときのことです。 試算表のなかに、見慣れているのに、あらためて考えると不思議な一行があります。 未収利息。 まだ受け取っていない利息を、資産として記録する。 現金は一円も動いていないのに、そこにはお金が … 続きを読む

1995年、糖尿病が「減った」一年 ―― グラフの谷が教えてくれること

米国の糖尿病の推移を描いた、有名なグラフがあります。 1958年から2015年まで、糖尿病と診断された人の数と割合が、右肩上がりに伸びていく一枚です。 坂道は、見ているこちらが少し苦しくなるほど、休みなく上っていきます。 … 続きを読む

なぜ同じ日本の食卓でも、太り方が民族で違うのか

今日、学習仲間から、こんな観察を聞かせてもらいました。 彼女の住むエリアは外国から来た人が多く、なかでも中国から来た人がよく目につくそうです。そして街を歩きながら気づいたことがある、と。中国から来た人には、肩からお腹にか … 続きを読む

「低糖質は寿命を縮める」と聞いたら ―― グラフのいちばん左に、何人いたか

健康診断のあと、糖質を少し控えはじめた。 体が軽くなって、気になっていた数値も、良い方へ動いてきた。 そんなときに、こんな見出しが目に飛び込んでくることがあります。 「低糖質の食事は、寿命を縮める ―― 権威ある医学誌が … 続きを読む

境目に立つ脂肪酸——分けたがるのは、いつも私たち

ラウリン酸、名前の話から始めます。 ラウリンは月桂樹、ラテン語のlaurus(ラウルス)から来ています。勝者の頭にのせる月桂冠の、あの木です。この脂肪酸が最初に月桂樹の実の油から取り出されたので、その名が残りました。名前 … 続きを読む