なぜ同じ日本の食卓でも、太り方が民族で違うのか

今日、学習仲間から、こんな観察を聞かせてもらいました。 彼女の住むエリアは外国から来た人が多く、なかでも中国から来た人がよく目につくそうです。そして街を歩きながら気づいたことがある、と。中国から来た人には、肩からお腹にか … 続きを読む

塩が血管を壊すのではなかった——免疫系が「感染と間違えて」血管を老化させていた

「塩分の摂りすぎは血管に悪い」——これは正しいです。 しかし、その理由として長年信じられてきたメカニズムは、間違いでした。 従来の定説はこうでした。 血液中に余分な塩分(NaCl)が増えると、それが直接血管の内壁を傷つけ … 続きを読む

変異のない、がん ―― 40億年前のプログラムが目を覚ますとき

がん研究の歴史は、長いあいだ「壊れた遺伝子を探す」歴史でした。 どの遺伝子に傷がつくと、細胞が暴走をはじめるのか。 その一点を突きとめ、そこを叩く薬をつくる。 筋の通った戦略で、医療も創薬も、長くこの考えに賭けてきました … 続きを読む

サラダではなく、芋だった——カリウムをめぐる、祖先と私たちの食の話

厚生労働省もWHOも、「カリウムは1日3,000mg以上を」とすすめています1。 ところが現代人のほとんどが、この数字に届いていません。 サプリメントが足りない、という話ではありません。 問題は、私たちが「何を食べていな … 続きを読む

五つの太陽が覚えていたもの ―― アステカ神話と、実在した五つの破局

アステカの人々は、世界がすでに四度、滅んだと信じていました。 獣に、風に、火に、水に。 四つの太陽が、それぞれ異なる破局で終わり、私たちはいま、五番目の太陽の下に生きている。 そしてこの太陽も、いつか地震によって終わる― … 続きを読む

巨人は、たしかにそこに埋まっていた ―― 神話という記憶装置の話

大地を掘ると、ときおり途方もなく大きな骨が出てくることがあります。 腕の骨が一本、人の背丈ほどもある。腿の骨は、大人が両腕で抱えても余る。 古代の人々はそれを見て、ひとつの結論にたどり着きました。 ――昔、ここには巨人が … 続きを読む

小さな花が名づけた千二百年の寒さ ―― ヤンガードリアスという「揺り戻し」

いまからおよそ一万二千九百年前のことです。 長い氷河期がようやく終わりかけ、地球は少しずつ暖まりはじめていました。 北の大地を覆っていた氷が溶け、森が北へ広がり、人も動物も、あたたかくなっていく世界にゆっくりと体を慣らし … 続きを読む

マヤ文明はなぜ「崩れた」のか――一つの原因では説明できない、二百年の物語

中米の熱帯雨林の奥に、いまも巨大な石の神殿がそびえ立っています。 ティカル、コパン、パレンケ。 かつて数万の人々が暮らし、暦を刻み、王の名を石碑に彫りつけた都市の跡です。 ところが西暦八〇〇年から九〇〇年ごろ、この南部低 … 続きを読む

海が一世代で街を飲んだ日 ―― 一万四千六百年前の「大洪水」の記憶

世界中の神話に、よく似た話が一つあります。 海がせり上がり、低地を飲み込み、人が高台へ逃げる。 ノアの箱舟も、ギルガメシュ叙事詩の洪水も、日本や太平洋の島々に散らばる水没伝承も、細部は違えど骨格はそっくりです。 これほど … 続きを読む

氷の艦隊が海を渡ったとき――ハインリッヒ・イベントが教える、気候が「めくれる」瞬間

深海の底に、細かな石ころが降り積もった層があります。 北大西洋の海底から抜き取った泥の柱――堆積物コアと呼ばれる、時間を輪切りにしたような試料――を調べていくと、ある深さで、明らかに周囲と違う層が現れます。 砂や粘土では … 続きを読む