ケトジェニックダイエットはどのように誕生したのですか?


ケトジェニックダイエットはまだ薬品が多くない時代、今から約100年前に様々な代謝障害を治療するための食事療法として開発されました。

食事療法としては1900年代に入ってファスティングが主に用いられてきました。特に幼児のてんかんに対してはファスティングが有効でした。てんかんでは脳において糖の代謝がうまく行かずに、神経による信号伝達が正常におらないことが原因で発作が起こります。

ファスティングを行うことで、脂質代謝へと代わると、てんかん発作が低下するのです。しかしファスティングの欠点として、何も食べないという状態を長期にわたり維持できない、という欠点がありました。

そこで Russell wilder 博士により1921年にケトジェニックダイエットが開発され、てんかんへの応用が始まりました。

ケトジェニックダイエットは多くのてんかんは患者の症状を軽減し、完全な寛解が起こる患者も多くいました。この食事療法は薬品では効果がない難治性症状に対して用いられ、現在も正式な食事療法として用いられています。

1930年代に入ると、てんかん薬として抗けいれん薬が開発され、実践の難易度が高いケトジェニックダイエットは主流の医療から除外され忘れ去られていきました。

ケトジェニックダイエットは1990年台に再発見され、世の中に広く知られるようになりました。そのきっかけはチャーリーという名の2歳の難治性てんかん幼児の存在でした。

彼の父親はケトジェニックダイエットがてんかんに対して効果を発揮することに驚き、現在でもケトジェニック食による治療が行われている Johns Hopkins 大学の医学部へとたどり着きました。

チャーリーのてんかんは、ケトジェニックダイエットの実践で完全にコントロールできるようになりました。この驚くべき治療結果は映画監督だったチャーリーの父によるチャーリー基金の創設につながり、これが映画や出版などの制作物を通し、一般的なてんかん患者のコミュニティに広く啓蒙されました。

ケトジェニックダイエットがなぜてんかんに効くのか、は研究により少しづつ解明が進んでいますが、まだ完全なメカニズムは理解されていません。

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