βヒドロキシ酪酸には食欲を抑制するシグナルとしての働きがあります。
ケトジェニックダイエットや低糖質食で介入を行った研究では、参加者の食欲の低下、満足感の持続などが観察されています。
しかし、ケトン体が直接、食欲抑制に作用している、というよりは、代謝やホルモン調整等の変化により間接的に作用しているようです。
例えば、体内時計遺伝子をノックアウトされ、食欲の抑制が効かなくなったマウスに対し、βヒドロキシ酪酸を投与すると、食欲が抑えられます。
また、食欲ホルモンであるグレリンの抑制や、満腹ホルモンであるコレシストキニンの増加などを通して食欲を抑制しているようです。
断食や飢餓などでケトン体は増加しますが、そのような環境でも過大なストレスが起きないように飢餓感を抑えてくれます。
Obes Rev. 2015 Jan;16(1):64-76.