チーズは牧畜文化において発酵保存食としての役割がありました。春~秋に牧草で育てた反芻動物の乳を食べ物が希少となる冬季のために保存するのです。チーズは民族の生存にかかわる重要な食でした。
日本では歴史的に乳で保存食を作る習慣はなく、広く民族の食文化になることはありませんでした。戦後に普及したのは癖がなく食べやすいプロセスチーズでした。
プロセスチーズもチーズの一つのスタイルとしては便利でよいと思いますが、複雑な工程が間に入ることで消費者は原料となる乳について無関心でした。今食べてるチーズがどこの牛さんのミルクから作られたのか、考えることはありませんね。ましてや、その牛さんが何を食べていたのかについても。
酪農が盛んな欧州には多くが牧草で乳牛を育てていますが、草が生えない冬季や大陸性気候の夏の灼熱が草を枯らしてしまう時など、都合が悪い時には穀物を使うところがほとんどです。問題なのはどこのブランドが穀物を大量に使用しているのか消費側からはわからないということではないでしょうか。
チーズを100%グラスフェッドで作っている協同組合があると聞き、そのうちの一つの生産者を訪れました。羊のチーズで、熟成方法により中がとろけるようなチーズでワールドチーズ賞でSuper Gold賞を獲得した生産者です。
チーズの生産は驚くほど簡単でした。収穫したミルクに手摘みの野生のアザミの雌しべを一晩浸した水を混ぜると、チーズ成分のタンパク質と脂質がミルクの水分がから分離されます。それを型詰めして、保冷庫で熟成させるだけです。
そのあまりの単純さにバージンココナッツオイルの生産者を思い出していました。
この生産者は15歳からチーズ作りに携わっている専門家で、奥には深い叡知が存在することはわかるのですが、工程のあまりの単純さに拍子抜けしてしまいました。
10000ヘクタールの土地で24000匹の羊を完全なグラスフェッドで育てており、自然のミルクに困ることはありません。
目の前にそびえるお城を眺めながらのランチでチーズの試食会です。チーズに造詣が深いわけではないので、とにかく自然で美味しい、としか言えないのですが、日本でも試食会したいですね。チーズにこだわりのある方にも是非参加してもらいたいです。
浩二さん、素敵な情報をありがとうございます本物はシンプルなんですね!改めて思いました。チーズも発酵食品、そうか!お味噌と同じなんだ。と瞬間に繋がり、とても親近感を感じてしまいました!浩二さんの幸せに満ち足りた表情凄くいいですね!私まで幸せを感じさせて頂きました!これから、楽しみです。よろしかお願い致します!