この時期、普段お酒を飲まない方でも、飲酒する機会が増えますね。
先日、こんな顔をして出社した社員がいました。
きっと、夜遅くまで飲み会があったのでしょう。
彼は接客がある職務じゃないので二日酔いで出社しようが僕は全然気にしませんが、数時間はつらいはずなので、可哀そうにな~と思っていました。
二日酔いの症状が具体的になぜ起こるのかはまだ科学的に明らかになっていません。
唯一の確かな解決方法は「時間」が経つのを待つということです。
彼も3時ごろになったら↓のような普通の顔に戻ってました。我ながら凄く似てると思いましたのでいつか個展を開きたいと思います。
お酒の飲みすぎは体に良くないとわかっていても、普段より多く・長く飲む機会もあると思いますので、そんなときのための二日酔い防止と回復のためになにができるのか、アルコール代謝の観点から書いてみたいと思います。
アルコールの代謝
アルコール=エタノールはそのまま排出できませんので、肝臓で分解されます。
まず、アルコール脱水素酵素によりエタノール から アセトアルデヒドへ変換されます。
そして、アルデヒド脱水素酵素によりアセトアルデヒドから アセテートへ転換されます。
非常に有毒であるアセトアデルヒドの分解にはこれらの酵素(ALDH)が必要です。このALDHを生産する量、その活性度などが遺伝子によって決まるので、世の中には酒豪も下戸もいらっしゃいます。
水
アルコールは視床下部で合成される抗利尿ホルモンであるバソプレシンの分泌を抑制するため、利尿作用により体内から失われやすくなります。お酒を飲むときは、お水も一緒にいただきましょう。
塩
尿と一緒にナトリウムを中心にミネラルが排出されます。特に尿を何回か行った後の朝はミネラルが少なくなっていますので、小さじ一杯の天然塩をお水に溶かして飲みます。飲酒中に飲む水に溶かして飲むのもよいです。
たんぱく質
このALDHは酵素ですので、タンパク質です。約500個のアミノ酸から構成されています。
生産能力は個人差があっても、原料はちゃんと用意してあげる必要があります。飲み会に出かける前にタンパク質、食べる時もタンパク質。万が一朝起きて二日酔いだったら、タンパク質。アミノ酸プールが少なくなってますので補充です。
このアルデヒド、体中で細胞を酸化させますので、アルコール摂取後の身体は不良たんぱく質だらけです。この修復のため、アミノ酸へ分解して排出・リサイクルの活動が激しく行われますので、原料はしっかりとってあげましょう。
お肉や納豆がたくさん食べれない、という方は、筋トレマニアや美カラダメイク中の方が家族にいらっしゃれば、どこかにプロティンを隠してあるはずなので、それを探してみてください。
糖、MCT
肝臓におけるアルコールの解毒代謝は、糖代謝や脂質代謝に優先して行われます。エタノールの代謝ではNADHが生まれ、NAD+ / NADH 比が低下します。
NDHAの濃度が高まると、ピルビン酸やオキサロ酢酸が少なくなり糖新生が起こらなくなるため、血糖が下がりやすくなります。低血糖が続くと頭痛や意識がぼやけたりしますので、直接栄養に使えるブドウ糖を摂ったり、直ぐに脳のエネルギーとして使えるMCTオイルを朝のコーヒーと一緒に摂るとよいでしょう。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK22524/