お肉は消化に時間がかかり、胃腸で腐敗するのか?


「お肉は消化に時間がかかり、胃腸で腐敗するのか?」

これはよくお肉や動物たんぱくを批判する方が、その理由としてあげることが多い主張です。皆さんも何度となく読んだり聞いたりしたことがあるのではないでしょうか?

まず「腐敗」ですが、これは私たちの消化器官では微生物が食べ物を餌に発酵することを指します。

腐敗のもうひとつの意味はバクテリアが食べものを分解することで異臭や毒素を出すことです。

アミノ酸は全て消化吸収される

お肉の主な栄養素はタンパク質と脂質です。タンパク質は胃で咀嚼分解され、小腸でペプチド、そしてアミノ酸まで分解され、ほぼ全て吸収されます。 

つまり、腸内細菌の多くは大腸にいますので、ここでタンパク質が発酵されることはないということです。つまり、お肉やタンパク質が腐敗することはありません。

お肉がお腹に長く滞留すると信じられるようになった経緯として、たんぱく質や脂質の満腹感を高める効果が考えられます。

タンパク質や脂質は糖質の高い食事よりも満腹感を高めてくれる作用があり、お腹が満たされていると感じる状態が持続します。そのことをお肉がお腹にたまっていると感じるのも無理はありません。

発酵するのは食物繊維

炭水化物の一部である食物繊維は、胃や小腸では分解されずに大腸まで到達し腸内細菌による発酵で分解され短鎖脂肪酸が作られます。

ですので、腐敗が発酵のことであれば、タンパク質よりも食物繊維が当てはまります。

例外はあるが

タンパク質が腐敗するとの主張においては、動物系たんぱくが消化をすり抜け大腸まで到達し、メチオニンなど硫黄を含むアミノ酸が発酵されることで悪玉細菌が増え、アンモニアや二酸化硫黄などの毒素が生まれること指摘されることがあります。

これについては、私たちはそれぞれがたんぱく質の適切な摂取量を持っており、それを超えた摂取は消化不足により、タンパク質の実質的な腐敗が起こることもあるでしょう。

標準食から低糖質食に切り替えたばかりの人がタンパク質摂取を急激に増やすことで、体臭が出てきて、ケトン臭と間違えられる原因ともなっています。

これらを指摘する研究が勘案していないのは、タンパク質の分解及び吸収量は、順応によって高めていくことができるということです。

タンパク質摂取量を徐々に高めていくことで、人間はどれだけでも摂取したタンパク質を消化し吸収できる生き物です。

言葉を変えれば、消化吸収できない量のたんぱく質は生理的に食べれないようになっています。

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