エビの安全性


エビは栄養価に富んだ食材です。水辺で生活してた人類にとっては特に重要なタンパク質源の一つでした。これまでケトンダイエットにおいてタンパク質源としてのエビについてあまり触れてきませんでしたが、将来にかなり期待の持てる出会いがありましたので、エビの栄養と安全性についてレビューしてみます。

// 天然と養殖

エビの栄養は天然エビと養殖エビとでは大きく違います。天然エビはαリノレン酸(ALA)が豊富な植物プランクトンや海藻等を食べて育ちます。
ALAはエビの体内で炎症抑制に働くEPAや神経細胞となるDHAに生合成されます。人間にとって大切なのはこのEPAやDHAであってALAではありません。
養殖エビは主にGMOの穀物原料によって飼育されます。すでに農薬や除草剤で汚染された飼料であるうえに、穀物由来のω6を多量に含み炎症を起こしやすい体質になっています。

// 薬物と水質汚染

養殖エビは生産効率を高めるためにオープンエアの池で密集的に飼育されます。伝染病は一瞬で生産環境を崩壊させますので、餌には常に抗生物質が使われます。抗生物質の乱用は耐性菌の繁殖を促します。
また、生物を水中で飼育すると水中のタンパク質濃度が高くなります。そのまま河や海に流され環境汚染の原因となります。

// 天然エビ

養殖エビの危険性が分かると天然エビを選択したくなります。しかし、天然エビのリスクもこの30年で飛躍的に高まりました。
エビの生態系における役割の一つは海底の掃除屋です。特にタンパク質を好みますので、水中生物の死体なども主要な食事となります。
海底の環境汚染によりそこに住むエビも汚染されています。問題はそれだけではなく水質汚染が原因で死ぬ魚や貝などの水中生物の死骸を食べるエビも当然ながら汚染されてるということです。
このように天然、養殖に関わらずエビの消費はできることなら避けることをお薦めします。
しかしエビは食材としてとても美味で、風味豊かにタンパク質を摂取する手段です。もう今後一切エビを安全に食べることは不可能なのでしょうか?

// 安心安全にエビを食べることができる

実は世界には完全に安全な環境でエビの養殖を開始しているベンチャーがいくつかあります。今回その一社を訪問しました。
  • 海底の環境を完全にシュミレートした飼育設定
  • ω3を含む完全な自然原料の餌
  • バクテリア生態系を完全に保存したまま汚染の原因となるタンパク質を除去する技術
  • 抗生物質など薬品、化学物質を一切使わない飼育

生産から食卓まで一貫して管理された物流を作ることで、こんなエビを皆さんと共有できるようになります。安心して色んなエビ料理を楽しみたいですね。
一つ大切なことを伝え忘れました・・・。ここのエビ、あのエビ臭さがないのです。無臭に近い。創業者によると、あのエビ臭さは飼料や水質汚染によるバクテリアの臭いだそうです。

エビの安全性」への1件のフィードバック

  1. すごくいい記事でした。ちょうどエビの安全性を調べていて、海外では出ているエビは抗生物質塗れだという情報が日本のニュースに流れないのでなぜかと不思議に思っていました。この記事で紹介されている海老はどこのメーカーなんでしょうか?

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