ヒトにとって唯一で最高の食事法


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ヒトにとって唯一で最高の食事法

そのようなものは存在しません。
 
昨日、NYタイムスがこのテーマで記事にしていましたのでご紹介します。
 
「肥満レビュー」という代謝障害に関する論文誌に12月3日に掲載された研究を取りあげた内容でした。
 
ヒトという種にとって何が最適な食事なのか?は研究・論壇の世界で激しく議論されています。それを真面目に勉強している人もみんな、あれがいい、これがいい、と迷うわけですよね。
 
この研究では考古学、人類学的な狩猟採集民族の食事を含むライフスタイル調査に加え、現存する狩猟採集民族の研究を含んだデータをもとに、彼らは一様に健康で成人病、慢性病を持っていなかったことがわかります。
この中には以前の講座でもご紹介したHadza族の食事のことも含まれていました。
植物中心の食事 vs 肉食中心の食事
糖質中心の食事 vs 脂質中心の食事
どのような食事内容であっても、彼らは健康なのです。
ヒトは生活環境に応じてそこに在った食べ物を食べてきました。そして柔軟にエネルギーに転換していく代謝能力があります。
暖かい地域では1年中植物が生えてますので植物食が多かった。緯度が高い地域で生活する民族は、季節がありますので、植物が食べ物として存在しない時期もあるんですね。
高緯度の場合はほとんど動物食です。下の図で、左は民族が住んでいる緯度に対する植物食の割合、右は動物食の割合です。緯度と食事内容の違いが明らかですね。
エスキモーと大和民族の比較など、異なる地域に住んでいる民族の食事内容を比べて正しさを論ずるのは意味がないのですよね。どちらが正しいのかではなく、どちらも正しかったのです・・・狩猟採集時代のライフスタイルでは。
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最近は「糖質制限」こそが正しい!と唱える方も増えてきましたが、中には総摂取カロリーの80%を炭水化物に依存している健康な民族も現存します。
「いや、それは芋のようなグリセミック値が低い炭水化物が中心の食事だったはずだ!」という声が聞こえそうですが・・
「ハチミツ」なのです。
「いやいや、彼らのエネルギー消費量は現代のそれよりはるかに高かったはずだ!」という声も聞こえます・・
今はウェアラブルな「加速度測定」や「心拍数測定」ができる小型測定器が出現していますので、現存する狩猟採集民族に装着してもらい彼らの運動動向を観測する研究も出てきています。
そこでは、彼ら狩猟採集民族のエネルギー消費量は現代の私達とあまり変わらないのですよね。これも私達の多くにとっては衝撃的なデータではないでしょうか?日本人ともあまり変わらないこととがわかりますね。(左:男性、右:女性)
総消費カロリー
彼らと私達現代人の運動面での違いが2つあります。一つは、狩猟採集民族は総カロリー消費量にあまり影響がない、低負荷動作時間がはるかに長い(基本的に1日中)ということです。
もう一つは、中・高強度の運動時間が現代人と比べて数倍高いということです。この意味と健康への影響については長くなるのでここでは触れませんが、健康を保つための重大なカギであることは確実です。一言で言えば、筋肉量を高負荷筋トレで作ろうね、ということなんですが・・。
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今後の栄養情報の価値というのは、正しいとされる一つのプロトコルを万人に当てはめるような方法は通用しなくなります。
相手の環境やライフスタイルに合わせ、その方のフィットネスを高めるための最善の食事内容、運動プログラムなどを一緒に考えてあげる能力が求められるでしょう。

画一的な一つの栄養学を相手に当てはめるだけでは、逆に病ませてしまうだけなんですね。

この研究はとても面白くて示唆に富んでますので、参照されている論文もまとめて一つの講座にしてお伝えしたいと思っています。

 https://doi.org/10.1111/obr.12785
カテゴリー: 栄養, 運動, 食事と身体

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