抗炎症物質、抗酸化物質


ケトン体は抗炎症や鎮痛の効果があります。

ケトン体には抗痙攣効果があり、ケトジェニックダイエットは長らくてんかん治療などに用いられてきました。慢性痛も痙攣と同様に神経細胞の過剰興奮により作られます。

抗けいれん薬は、一般鎮痛薬への反応性が低い神経疼痛に処方されます。抗けいれん薬とケトン食の作用に共通性があると仮定され神経疼痛の緩和は共通のメカニズムで起こっているとされています。

糖代謝の低下は、断食、カロリー制限、高脂肪・低糖質食等と共に抗けいれん効果があります。

また、ケトン体の抗炎症に対する効果として抗酸化効果があります。

酸化を起こすフリーラジカルがどのように炎症を起こすのでしょうか?

フリーラジカルの発生は全身性炎症反応と相関しています。炎症をもった細胞によって生成されるフリーラジカルは周辺臓器の炎症の発症と進行を促します。

炎症の初期段階ではフリーラジカルはサイトカインの合成を誘導する炎症因子の活性化を行います。

炎症が進行すると、フリーラジカルとサイトカインの相乗効果によりさらに炎症因子の合成が促進されます。

フリーラジカルは、さまざまな細胞成分と反応し、機能の喪失と細胞死を誘発することにより、炎症部位で毒性効果を発揮します。

ケトン体であるβヒドロキシ酪酸は酸化ストレスを減少させます。ROS /スーパーオキシド産生を阻害し、脂質酸化およびタンパク質酸化を防ぎ、抗酸化レベルを増加させ、ミトコンドリア呼吸およびATP産生を促します。

J Child Neurol. 2013 Aug; 28(8): 993–1001.

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