なぜ健康なカラダではケトアシドーシスは起きないのですか?

ケトアシドーシスはインスリンが分泌されない一型糖尿病において、ケトン体が過剰生産されることで起こります。

健康なカラダでは炭水化物を摂取しなくとも基礎インスリン分泌がありますので、そもそもケトン体が過剰生産されることはありません。

これに加えて、生理的なフィードバックループがあり、ケトン体の過剰生産は起こらないようになっています。

まず、ケトン体濃度が4-6mmolに到達すると、インスリン分泌が促進されます。インスリンが増えると、脂肪の分解が抑制され、ケトン体生成の原料である脂肪酸が減少します。インスリンーグルカゴン比が上昇することにより、肝臓のケトン体生産も低下します。またインスリンが上昇するとケトン体の尿からの排出が増えます。この3つの作用により、健康な人にケトアシドーシスは起こらないのです。

一型糖尿病の方はこれらの抑制装置をもたないのでケトアシドーシスのリスクがあります。臨床におけるケトアシドーシスの治療法は、インスリン投与です。血中インスリン濃度が上昇すると肝臓におけるケトン体生産が停止し、脂肪分解が減少し、尿からケトン排出が高まります。

また、水分及びミネラル補給が重要です。

アルコール性ケトアシドーシスは起こる症状は同じですが原因が違います。食事をすることなくアルコールを飲酒すると、エタノールはケトン体生産に影響を与え、ケトン体が大量生産されることがあります。

この解決法は簡単で、炭水化物を摂取することです。いずれにせよ、お酒を飲む時は、何かを食べながら行うとよいでしょう。

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA