Eat A Raimbow = 虹を食べよう
という言葉があります。つまり色とりどりの野菜を食べることにより、栄養をたっぷり摂取しよう、ということです。
そこで、まじめに虹を構成している色のお野菜を摂っていこうとすると、それが難しいことに気づきます。
虹の色は「赤」「橙」「黄」「緑」「青」「藍」「紫」の7つです。
この中で「青=ブルー」と「藍=インディゴ」の色のお野菜や果物を目にすることは有りませんね。
この理由を探っていきましょう。
植物の基本色は「緑」
まず、色が見えるというのはどういうことでしょうか。光が物に当たると、ある色の光は吸収され、ある色の光は反射されます。
植物は光合成によって光エネルギーから化学エネルギーへの変換をクロロフィルで行っています。この時に青色と赤色光線を使いますので、緑光線を反射します。光合成が特に活発におこなわれる葉は緑ですね。
カロテノイドの色は「赤」
暖かい色のお野菜に含まれることで知られているカロテノイドは400~550nmの光を吸収しますので、基本色は赤です。このビタミンAの前駆体となり、抗酸化物質でもあるカロテノイドの色が際立ったりクロロフィルの緑と混ざることにより「赤」「橙」「黄」ができます。
ですので、人参(橙色)などはビタミンAが含まれていることがその色で分かるんですね。
アントシアニンは「赤」と「青」
野菜や果実の色を決定するもう一つの物質はアントシアニンです。アントシアニンは「赤色」や「青色」をもっています。また葉においては成長期にこそありませんが、夏の終わりから秋にかけて作られますので、赤や紫の美しい紅葉を見ることができます。
アントシアニンを含む果物としてはブルーベリーが有名ですね。ブルーと言っても実際は紫です。これで虹色の「紫」を作ることができましたね。
「緑」の対極は「赤」
さて、これで虹色の残りは「青」と「藍」です。「赤」でも「青」でも作ることができたのに、どうして果物には「青」は少ないのでしょうか?
これは、植物は受粉や種の拡散などの繁殖活動を動物に依存しているからです。蝶や蜂、その他果物を食べてくれる動物から認識されやすい色が自然淘汰によって残っていきました。
カラーホイールで見ると、「緑」の対局にあるのは「赤」ですので、植物の基本色である緑とは完全に混ざらない色を選択することで、動物から見つけてもらいやすかったのでしょう。
植物の体内時計は青色光線で調整
さて、ここからは僕の勝手な想像ですが有力な仮説だと思っています。
植物はそのほとんどの細胞で24時間の体内時計を遺伝子の中に持っており、これを太陽光の中でも青色光線によって昼夜を微調整しながら区別し、24時間の間、様々な活動を行っていることがわかっています。
青色のアントシアニンで、赤+青=紫、や緑+青=青緑を作ることができても、自らの時間調整のため、青色光線をある程度吸収することは必要であり、完全に反射することはできなかったのではないでしょうか。ですので、青色のお野菜は少ないのです。
このように植物が色を選択していることを見てみると、強い意志と生命力を感じることができますね。