EAT-Lancetという委員会による過去にない規模の反肉キャンペーンが始まっています。
EATは、「健全な科学を通じて世界の食料システムを変革することを目的とした、グローバルな非営利団体」となっていますが、この団体の中心的なメンバーは先鋭的な動物愛護、動物福祉運動者達です。
そのウェブページには
「EAT-ランセット委員会は、さまざまな科学分野の16カ国から37人の世界をリードする科学者で構成されています。委員会の目的は、健康的な食事と持続可能な食料生産のための目標を定義することによって科学的合意に達することでした。委員会の調査結果は、地球で健康的な食事と持続可能な食糧生産のための史上初の科学的目標を提供し、それによって2050年までに最大100億人に食を提供することです。」
と書かれていますが、彼らに「科学的な合意に達する」という意図はありません。せいぜい、「自分達に都合の良い」考えに世界が同意させる、ということです。
委員の多くがビーガン/菜食者
この37人の委員のうち80%が過去にビーガン/菜食主義に傾倒していることがわかっています。そのような委員会が科学的に正しい食事の提案などできるはずがありません。
委員会の報告媒体として、そしてプロジェクトの名前に「ランセット」という権威ある科学論文誌のブランドが使われていることから、科学リテラシーが高くない消費者は、簡単に「肉はカラダに良くない」という科学的な合意がされているとの印象を与えられやすいでしょう。
特に日本では「あのランセット誌に掲載された…」とこの科学誌の名前を使って自らの主張に権威付けされた記事をよくみかけるので、このブランドに弱い人たちも多いのでしょう。
昨年末に「肉を食べることについて議論しなければいけない」というEAT-Lancet記事がランセットに掲載されました。
肉ほど人類の進化とともにあり、決着がついている食べものはないはずなのに、何か変だなと思っていましたが、このプロジェクトは、動物愛護団体、菜食主義者、環境運動家、穀物関連食品会社などが有名大学や研究業界を巻き込んで、潤沢な資金をバックに意図的な反肉キャンペーンを行うことが意図されています。
動物愛護や菜食主義はそれ自体何の問題もありません。家畜を含め全ての動物は人道的に扱われるべきであり、様々な理由や目的で動物食を食べないのももちろん尊重されるべきです。
問題はこれらの原理主義者達が「動物食が科学的に健康に良くない」という科学に基づかないリサーチに基づき、印象操作で誤ったメッセージで世論を形成しようとしていることです。
既に、この運動が栄養バランスを欠き、栄養欠乏が起きることを危惧する声が上がっています。
肉食を議論する時は放牧とCAFOは分離して考える
この問題のもう一つの厄介な点は、放牧とCAFO(集中家畜飼養)を一緒にして議論されていることです。
放牧とCAFOとでは、動物福祉も食品の栄養価も全く違います。また環境に与える影響も異なります。
しかし、彼らにこれを分離して考える意志はありません。彼らの真の目的は「科学的な合意」などではなく「動物食のない世界」だからです。
これからしばらく流れてくる反肉の主張は、EAT-Lancetの報告に基づいている可能性が高い
彼らのメディアキャンペーンが功を奏すと、タバコに対して起きたようた廃絶運動が現実としておきてきます。
まず「肉を食べることは悪である」という印象操作された主張であらゆるメディア媒体が汚染されます。
次に今先進国で真面目に議論されているミートタックス、いわゆる肉に対する課税が始まります。最終的にはレストランにおけるお肉の使用が禁じられます。
1月17日にオスロで始まった発足会議をかわきりに世界で30のイベントが既に予定されておりその様子は日本でも報じられるかもしれません。
私達の普段の栄養への無関心が、このような運動にも働けば良いのですが、非人道的に飼育されている牛さんのイメージなどを使った、感情や論理に訴えるメッセージに対し、簡単に反肉主義に洗脳されないようにしないといけません。