カラダを30歳若く保つ運動


Full length front view of two active seniors with a healthy lifestyle smiling while jogging together outdoors in the park

ハードな有酸素運動を何十年にもわたって行える遺伝子を持つ人は限られている


「定期的な運動は身体を30年若く保つ」
というタイトルと、「男女問わず運動を数十年行ってきた高齢者の筋肉は健康な25歳の筋肉と多くの点で見分けがつかない」というサブタイトルに、この70歳代を対象とした NY Times の科学記事 (2018-11-21)にグッとひかれました。

通常、運動に関する研究は「マスターアスリート」と呼ばれる運動を専門的に行っている被験者が対象となることが多いですね。しかし、この試験では1970年代に起こった有酸素運動ブームで運動を始め継続してきた趣味レベルの方を対象として心肺機能と筋肉代謝における測定がおこなわれています。

趣味レベルといっても週5回で週計7時間の運動を50年間続けてきた人達なので、かなりの運動家ですね。

その結果・・・

  • 若年グループと同量の毛細血管や有酸素代謝酵素が見られた
  • 心肺機能は若年グループと比較すると若干低いが、運動をしていない同年齢グループと比較すると40%高かった
  • 年齢ごとの心肺機能基準と比較すると平均して30年若かった
  • 加齢による身体的衰えは「普通」でも「避けられないこと」でもない

これはある時点の二つのグループを比較した横断研究ですので、運動以外の重要な要因である食事や睡眠についての影響がどの程度あったのかはわかりません。それでも50年に渡ってそれらの要素をコントロールする試験は難しいので、とても参考になります。運動を維持できた人は健康になる。ここまでは定説通りです。

この試験の大きな問題は、ハードな有酸素運動で怪我や体調を崩してきた人は、現在は運動を継続してませんので、被験者のグループには入っていないということです。数十年の長期スパンで高負荷な有酸素運動を継続できた人は、遺伝子レベルで優勢だったか、この有酸素運動に最適な栄養ミックスを偶然食事で摂ってきていた可能性が高いです。

高齢になっても運動を続けることは大切ですが、運動の種類は正しい選択をしないと、この試験に選ばれなかったサイレントマジョリティのようになってしまいます。大多数の有酸素運動家はその運動法が原因ですでに怪我や炎症などで運動できない体になったり、運動に対して意欲がわかない精神性をもったりしています。

ハードな有酸素運動が大好きで、あえて続けていくのであればそれに適した食事を選択し炎症リスクを下げる。健康目的の運動であれば、高強度運動に切り替え、短時間で総合的負荷の少ない運動によって筋力と心肺能力を維持する。有酸素だと週5日のところを、高強度だと週1,2で心肺能力は同様のレベルを維持、筋力については有酸素以上の筋肉の成長を見込めます。

競技で勝つ!とかを考えなければ、運動の考え方はとてもシンプルで美しいです。

Journal of Applied PhysiologyVol. 125, No. 5

 

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