ケトーシス とケトアシドーシスの違い


ケトーシスとは脂質を主な原料とした代謝のことを言います。

炭水化物を標準食で摂取している時はブドウ糖をベースとした代謝です。この糖代謝の状態では 血中ケトン体濃度はほんのわずかで0.1 mmol 以下です。

インスリンーグルカゴン比が低くなることでケトーシスが起こります。

ケトーシスは いくつかの生理学的な 状況から起こりえます。

まずファスティング、断食では糖質が入ってこないことから体内脂肪が燃焼されながらケトーシスが起こります。

運動直後でも血中ケトン体濃度は2.0mmol程度に上昇することがあります。

そして、低糖質、高脂肪の食事による自然なケトーシスです。

ケトーシスは 病理的な時には 致命的な代謝状況である ケトアシドーシス とも区別されます。

ケトアシドーシスは「糖尿病ケトアシドーシス」及び「アルコール性ケトアシドーシス」が知られています。

全てのケトーシスにおいて インスリンが低下し、グルカゴンが上昇すること、そして脂肪が分解され脂肪酸が肝臓に使われる状態になった時に ケトーシスは起きます。

臨床的ケトーシスは0.2 mmol 以上とされています。2mmol程度であれば中程度のケトーシスということでマイルドケトーシスと呼ばれます。これは誰もが日常から体験できる 数値です。1日完全糖質を抜いただけでマイルドケトーシスに入れます。

ケトアシドーシスの定義についてはいろいろとありますが7 mmol から10 mmol 以上の ケトン体濃度のことを指します。

ここで、代謝状態とケトン体濃度を紹介します。

代謝状態 ケトン体濃度
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標準食 0.1
2-3日のファスティング 1.0
運動直後 ~2.0
1週間のファスティング 5.0
ケトジェニックダイエット 5~6.0
3-4週間のファスティング 6-8.0
ケトアシドーシス 8+
糖尿病ケトアシドーシス ~25

Clin Invest Med. 1995 Jun;18(3):193-216.

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