肝臓グリコーゲン量がケトン体生産を調整しているのか?


ケトン体生産は肝臓におけるグリコーゲンの 枯渇を必要とします。

これはマロニル CoA の低下を起こし これがパルミチルトランスフェラーゼ1(CPT I) と呼ばれる酵素を活性化します。

CPT I は 脂肪酸を 燃焼させるためにミトコンドリアの中へ運搬する役割があります。 脂肪酸は燃焼されるとアセチル CoA となります。

炭水化物の摂取量が多いと、アセチルCoAは TCA サイクルへ入りエネルギーとなる物質が作られていきますが、炭水化物を消費してない時にはアセチル CoA は TCA サイクルの中に入っていくことができず肝臓に蓄積してきます。

これと同時に血中のブドウ糖濃度の低下は、インスリングルカゴン比を低下させ 脂肪細胞から脂肪酸を動員します。この2つの作用が肝臓におけるケトン体生成回路を作っていきます。

ですので厳密にはグリコーゲンの量がケトン体生成をコントロールしているというよりは、 マロニル CoA の量で調整されていると言えます。マロニル CoA が 肝臓や筋肉の CPT 1の 活性を調整しているからです。

マロニル CoA は脂肪合成 の際にできる中間物質で グリコーゲン量が高い時には脂肪が多く合成されますので、マロニルCoAは多く存在します。肝臓のグリコーゲンが満タンの時は脂肪合成量も高く、 脂肪の分解は起こりません。

インスリンーグルカゴン比が低くなり、脂肪合成量が少なくなることで、マロニルCoAの量も少なくなり、これが CPT 1を活性化します。脂肪酸が大量にミトコンドリアに運び込まれ、ミトコンドリア内のアセチル CoA 濃度上昇することから、アセト酢酸が生まれ、さらにその派生ケトン体であるベータヒドロキシ酪酸やアセトンへと転換していくのです。

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